一球ソフトボールを体験して

ソフトボール部女子部1年 SM

 私は、今回初めて試合に参加し、守備につくという貴重な体験をした。初めての経験であるため普段の試合との比較はできないが、自分なりに考えたことや他の部員との話し合いの中で私が感じたことをまとめたいと思う。

 私が試合をしていく中で感じたことは2つある。1つ目は、はじめから満塁であることやピッチャーが乱れない限りストライクゾーンにボールが飛んでくるということから、少しも気を抜いている暇はないということだ。普段の試合でも気を抜いて打席に入ったり守備をしたりする人はいないとは思うが、「一球の重み」が変わるため、緊張感が増しているように感じた。また、試合を観戦する側も「一球」で試合が動くため気の抜けない面白い試合だと思うようになると思った。2つ目は、試合の状況を把握し、次はどこに投げるべきか、どう動くべきかなどを瞬時に考え、1プレーが終わるごとにその考えを改めなければいけないということだ。選手は早い展開に遅れないように頭を回転させなければいけないという大変さはある。しかし、これはベンチ入りしているメンバーが活躍できるチャンスでもあると私は考える。ベンチにいるメンバーは展開の早い試合を客観視できるため、常に動かなければいけない選手を声でサポートし、負担を和らげるという重要な役割を担うようになる。そのため、ベンチの選手も気を緩める暇はないということだ。一球ソフトボールは全員に役割を与えるため、全員が楽しめるソフトボールであると感じた。

 次に、私なりの視点でいくつかの提案をしたいと思う。私は、一球ソフトボールをオリンピックの正式種目とするだけではなく、ティーボールのように障がいのある方もない方も、また、小さい子どもからお年寄りまでプレーできる競技にしたい。そうすることが一球ソフトボールの普及にもつながると思う。それを実現するために、上級者と初心者でルールや使う道具、グラウンドの広さを変えてみてはどうだろうか。例えば、上級者はあまり飛びすぎないボールを使うようにする。その理由は、上級者はストライクゾーンにボールが来ることが分かっているとボールを遠くに飛ばせることが多くなり、一度に大量得点が入ることがあると考えるからだ。あまりにも点数が入りすぎて点数が大きく開いてしまうようなことがあると、観戦する側もその試合に飽きてしまうかもしれない。逆に初心者や子どもは飛距離が出ないためグラウンドの広さを狭くし、ボールが外野に飛んでいくようにする。そうすればオリンピックでも初心者がやる場合でも楽しめるのではないかと思った。また、試合の展開が次々と変わることは観戦者側の視点からは良い面が多いと思うが、選手側としては負担が多いように感じたため、試合中のタイムや短い休憩時間は必要であると考える。考える時間が短いとプレーが雑になってしまったり、ミーティングによって気持ちの切り替えの時間がないと試合の展開を急にひっくり返すようなことが減ってしまったりすると思う。これは試合の面白さを半減させてしまうと思うので、ある程度のチームでの話し合いの時間を設けることは大切であるように感じた。

 私は実際に一球ソフトボールをグラウンドでプレーさせてもらい、改めてソフトボールの楽しさと難しさを知ることができた。また、選手側の立場を優先するのか、それとも観戦者側の意見を尊重するのか、というのはとても難しい問題であり、どのスポーツでも向き合っていかなければいけない課題であるように感じた。スポーツはする側が試合の雰囲気を作っていくことももちろんあるが、見る側の応援や反応によっても雰囲気は大きく変わり、選手の心理状態もそれに大きく左右される。特にオリンピックは世界中から注目を浴び、応援の力も大きく関係していると思う。両方の視点に立って考えることの大切さを身に染みて感じた。しかし、ここまで新しいルールに視点を置いて書いてきたが、私はこれまでのソフトボールや野球の良いところはきちんと残しておくことを忘れてはいけないと感じている。例えば、怪我をした選手を相手チームの選手が気遣っておんぶをしてあげたり、けがの一時治療を相手チームが嫌な顔をせずに待っていたりするような場面だ。こういった時間は残しておくべきだと思う。これが野球やソフトボールの魅力だと私は思っており、また、この素晴らしさをオリンピックで世界中の人に知ってもらいたいと考える。良い面は残しながらも新しいルールを取り入れた一球ソフトボールが世界中の人にプレーされる日がとても楽しみだ。